VEX〜複雑系の組織学〜

【発表者】井之上
複雑系について述べる前に、VEXについて述べる。
 VEXは、各メンバーの向上心によって支えられ、その相互触発の場として機能している。つまり、誰が会を引っ張るわけでもなく、各メンバーが主体となり、毎回の発表し、 VEX全体を考えなければならない。そこにリーダーは存在せず、各メンバーがリーダーであり、主体である。
このような組織は、他の大学において存在はしていないのではないかと考えている。これを踏まえ、複雑系について簡単に述べる。複雑系を組織学に応用しようとする考えがある。(発表では踊る大捜査線を例に解説)それが「複雑適応系」である。
 組織学における複雑系とは、「主体」(エージェント、自ら判断し行動のしかたを適応的に変える存在、人間はその代表)が多数集まりネットワーク状に相互関係を持ちつつ活動するシステムのことを、複雑適応系とは、「複雑系複雑系自体に効果的な適応を促進する働き」のことを指している。感のいい人はお気づきだろう。そうVEXは、複雑適応系の組織なのである。各メンバーがエージェントとなり、自分の目標達成のために自ら判断し行動する、そして、各メンバーがネットワーク状に相互関係をを持ちつつ活動する。これがVEXである。では、効果的に複雑適応系の原理を働かせるにはどうすればよいのか。ヒントはこの一文にあると考える「自ら判断し行動のしかたを適応的に変える」。
 つまり、各メンバーには、日本人が最も苦手とする主体的に考えて、場の変化に応じて行動すること常に意識することが必要なのである。受身では決していけない。それが「VEX」である。いろいろな学生団体があるが、VEXは異質であると思う。単なる勉強会が5年も続く、そこには、知識ではなく「主体」となることを求められる場あるからだと思う。主体の言い方を変えると「学習する個人」だと考えている。「学習する個人」となったメンバーは、自ら何かを作り出す力を得ると考えている。それがイノベーションにつながる。現状に満足せず、常に改善を。学習する組織を目指して。日々の努力を怠らず。