ボーダフォン(ソフトバンク)がシェア30%を獲得するための施策の提案


11月から開始されるナンバーポータビリティ制度を控え、今後シェアの変化が予想される携帯電話産業を取り上げ、「ボーダフォン(ソフトバンク)がシェア30%を獲得するための施策の提案」をテーマに議論を行いました。


今回は事前に「シェア30%獲得のための具体的な施策の提案」が求められ、吉田、井之上、増田の3名から次のような提案がなされた。



吉田案
1.具体的な施策
・基本料金の大幅な引き下げ。
・通話料およびパケット通信料の定額化。
→無料通話時間300時間とかでも良し


2.具体性
ドコモ、auにはできないyahoo! JAPANとの連動によって料金の大幅な引き下げをはかる。
ソフトバンクの携帯電話とSNSを連動させ、SNS参加者およびアクティブユーザーの数を大幅に増加させる。
これに付属させる広告により利益を得て、通話料の低額化につなげる。
広告事業に関してはソフトバンクはたくさんのノウハウを持っている。
これにより十分な利益が見込めるだろう。


3.その施策が最適と考える理由
カメラや音楽プレーヤー等の機能では他のキャリアとの差別化が困難である。
やはりユーザーが最も気にすることとは金銭コストではないか。
値段が安ければ、それだけでユーザーの選択肢の中で上位に入ることは可能。


また、web広告事業の運営能力という他のキャリアにはないソフトバンクとしての強みを活かせる点も大きい。
携帯からSNSにアクセスする18歳以下のユーザーを大きく取り込んでしまえば、数年後にmixiを凌駕することもできるかもしれない。




井之上案
1.具体的な施策
施策として2段階あると思う。
(1)電波状況の改善(必須)
(2)携帯・ブロードバンド・IP電話インターネットテレビホットスポットを1つのパッケージとして、販売。もちろん、価格は、低く抑える。


2.具体性
(1) は言うまでもない。(2)については、ドコモは、NTT東や西等のブロードバンドサービスと連携したサービスを提供することは法律上無理であり、auKDDIは、ブロードバンド(DION)を提供しているものの提携を実現していない。そこで、孫さんの強烈なリーダーシップのもと、Yahooの ADSLFTTHサービスと携帯のサービスをパッケージにして、大幅な値下げとサービス内容に充実を図る(携帯のアドレスとPCのアドレスの一元管理や yhaooの音楽配信の携帯からの利用、yahoo360等)ことによりユーザーの獲得と囲い込みを行なう。利益は、主な収入はパケット通信料となる。
携帯における広告モデルはあまり得策ではないと思う。なぜなら、携帯は画面が小さいため、広告を掲載することにより、ユーザーの利便性を損なう恐れがあるため、ユーザビリティーに欠ける。


3.その施策が最適と考える理由
カメラや音楽プレーヤー等の機能では他のキャリアとの差別化が困難であり、ユーザーが気にすることとは金銭コストであることは吉田君と同じ認識。しかし、現在のボーダフォンのユーザーが料金が高いという認識が一番低いにもかかわらず、移転希望率が高いのは(増田君資料4ページ)電波状況の悪さと共にサービスメニュー不足をしてする声があることから、豊富なyahooのコンテンツを利用してサービス内容の充実を図るべき。




増田案:
内容:携帯電話の様々な機能ごとにモジュール化を進め、販売時に顧客にカスタマイズしてもらう。
(当然標準的なタイプ等を用意し、性能を全て知らなくても選択できるようにする。)


この販売体制のもとで、採用が多かった機能の技術改良に力を入れる。
例えば、カメラを付ける人が多かったら、カメラの高性能化を進めるということです。


そうすれば、顧客ニーズと、技術開発方向が一致し、顧客がほしい機能を
より高品質低価格化した規格で提供できるようになり顧客満足度が高まると考えらるし、
高機能を付加して高価格化していた携帯電話価格も、予算に見合った価格に抑えられる。


施策を進める理由:
一つ目は、ソフトバンクの財務状況は逼迫している、
(負債は1兆円over、年間の返還利子だけで数百億円)
この状況下で、費用のかかる新規のサービス展開をしていくことは、実行が難しいとかんがえるから。
(カスタマイズは製造会社の協力が得られ、費用は抑えられると考える↓参照)


二つ目は、携帯電話製造会社が、技術改良をする方向を絞ることは、
営業利益率の改善につながると考えられるので、製造会社の協力が得易いと考えるから。



各案について議論がなされ、それぞれのメリットや問題点が指摘された。
まとめると以下の通り。

  • 値段の大幅な引き下げは他社との価格競争を生み出し、トップシェアを誇るD社に太刀打ちできないのではないか。
  • 電波状況の改善にはすでに動き出しているようだ「朝から晩まで携帯のことで頭がいっぱいだ」──ソフトバンク孫社長 (1/2) - ITmedia Mobile
  • 自分のお金でPCを購入できるビジネス層、中高年層は携帯電話に対しての執着が薄い(使いこなせていない)。携帯のハードユーザーである若年層に向けたサービスが必要では。
  • 携帯電話製造会社はキャリアごとに機器の構造を細分化することに反対するのでは?むしろどのようなキャリアでも同じように生産できる形を望むのではないか。
  • yahooのサービスとの連携は不可欠。
  • ソフトバンクは新たなブランドを確立しなければならない。