1月のディスカッション「ビジネスプランについて」

1月のディスカッションが開催されました。 (文責:増田)
内容は、ビジネスプランニング(事業計画書作成)に関してで、3部構成でした。

1.事業計画の構成要件、枠組み、注意点等の概説
2.ビジネスプランコンテスト入賞者、井之上さん、永井さんの事業計画書のプレゼンテーション
3.プレゼンに対する質疑応答、作成上の注意点、テクニック等のまとめ


それぞれについて、簡潔に説明します。3が、今後、ビジネスプランニングをするうえで役立つと思います。

■1.事業計画書とは:(詳細はプレゼン資料参照)
 
 ・明確な枠組みはないが、必ず、全体構想、具体的な事業内容、資金計画表、損益計算表を備えている。また、技術、商品、市場、販路という枠組みで状況を瀬いるすることで、経営資源の配分に問題がないかの検討、実現可能性が高い筋道の選定が行える。


 ・作成する意義は、周囲(主に資金提供者)に対する説明材料、説得材料。及び内部に対する、状況の整理、進捗の目安、役割分担等を明確化することで、実現可能性を高める。

 ・ビジネスプランをまとめることで、必要な経営資源がわかり、どのように入手すべきか検討できる。研究開発資金⇒エンジェル、ベンチャーキャピタル 事業化資金⇒ベンチャーキャピタル、証券会社、商社  確実に返せるが、一時的に資金が必要⇒銀行、証券  販路・人材が必要⇒商社 人材が必要⇒インキュベーター、コンサル


■2.事業計画書のプレゼンテーション
 簡潔に説明すると(詳細は、各々の発表資料参照)

井之上さんは、将来性、優位性のある技術を元に、成長市場に参入していく事業
永井さんは、既に確立している、技術と社会の問題意識、市場ニーズを結びつけ、Win-Winの関係の中で、稼ぐ事業

■3.ビジネスプランニングで、入賞するためのまとめ

下記は、永井さん、井之上さんのプレゼンの質疑応答から抽出した基準です。

□現実的で、段階的に達成可能な目標を提示するとともに、3年で単年度黒字化、5年で累積黒字を見込む資金・損益計画を立てる必要がある。(日銭が0が続く場合は、コンサル等で、日銭を稼ぐ)

□背景や市場予測は、シンクタンクを活用(説得力を増す)、そして、見せ方・話し方を工夫し、市場性、有望性が高いように強く意識させる(但し、ビジネスモデル構築後は、各ステイクホルダーに対して、足を使って情報を集めに行くと説得力が増す。)
□背景に、法的支援や、政策目標を絡めて説明すると、必要性を強く訴えることにつながる(日ごろから、制度の変化や、政策目標を意識しておくこと、常に問題意識を持ち実情を調べてみること)

経営資源、事業コアから、実現可能性が高い筋道を立て、予想される課題及び対応策を示す。(課題は、隠さない、しかし、控えめに表示する。⇒問題点を理解していることを相手に意識させ、信用性を増す)

□重要でない部分は、仮定して、推計していく(入賞狙いなら細かい所に時間をかけすぎる必要はない、但し、実際に事業をする際は十分に時間をかけること)

□質疑が集中する、市場ニーズとシーズの関係、販路、実情の確認を十分に行う


以下は、ベンチャーファンドの審査基準からの、抜出です。

投資判断は、大きく三つで、壱;社会貢献度、弐;ビジネスプラン、参;経営チームの資質
さらに細かく見ると、社会貢献性、ビジネスプラン(研究開発・事業化戦略、マーケティング、資金調達、修士計画)、技術力(比較優位性、特許、技術の革新性)、市場性、マネジメント、投資収益性、株式公開ロードマップ

■反省会

  発表内容 プレゼン技法
良い点 ・資料が豊富 ・気になっていたことが聞けた ・知識の共有化、暗黙知の伝達ができた ・参加者の能力の底上げができた
改善点 ・目的から、外れることがあった  

(文責:増田)