「事業・企画の新規立ち上げ実務の促進システムの開発」(発表者:小野寺)

基本情報

  1. 日時:日時:2011年6月11日 10:00〜12:00
  2. 出席者:小野寺、種市、室伏(計 3 名)(敬称略)
  3. テーマ「事業・企画の新規立ち上げ実務の促進システムの開発」
  4. 発表者:小野寺

背景

起業家精神を備えた指導者・教育者を増やすことを目的に設立する予定の「キャンパス・アントレプレナーズ(仮)」の事業として羽ばたかせたい構想について発表する.
キャンパス・アントレプレナーズでは,以下の3つのサービスを考えており,

  • A事業・企画の新規立ち上げ促進システム
  • B起業家教育教材の開発・運用
  • C大学研究室向け組織コンサル

Aは,年内のプロトタイプ実装,Bは年間2つのペースで新規商品を開発,Cは1件の成功事例をつくることを目指している.本発表では,Aについて取り上げる.

 東北地方における事業の新規立ち上げ事例が少ない現状について,起業家人材の不足を原因とする向きが一般的である.しかし,キャンパス・アントレプレナーズでは,起業家は東北地方においても既に十分存在していると考える.むしろ,問題は,起業家人材の周りに,実務家や管理者といった,起業家のアイデアを具現化する強力なサポーターが不足していることだと考えている.

 私が提案する A事業・企画の新規立ち上げ促進システムでは,実務家・管理者人材の不足をITによって補いアントレプレナーシップをもった起業家が1人いれば、事業や企画が回るような運営手法を提案する。

今回の発表の目的

【事業立ち上げが頓挫する問題点の分析と,ターゲット・ユーザの明確化】

内容

1.事業・企画の新規立ち上げが少ない原因の分析(小野寺の仮説)

次の3つがボトルネックと考えた。

  1. イデアが企画書としてきちんと可視化されない
  2. 企画書を実現させるための実務遂行
  3. 継続化

そして,それぞれ,実務家人材,管理者人材が不足しており,起業家人材が1人で大量の仕事を抱えていることに原因があると考えた.
 これを解決するためには,次の3つが重要であるとした.

  1. 起業家人材の実務の効率化
  2. 人材不足を前提に,プロジェクトを前進させられる運営手法(能力の未熟なプロジェクトメンバーを巻き込んだ場合でも,リーダーに負担をかけることなく,組織運営ができるようになる仕組みづくり)
  3. 日々の自転車操業に陥りつつも,先読みでリスク対策のできる情報管理
2.議論での内容
  • 未熟なメンバーを育てる,という教育的側面は打ち出さないほうがいい.起業家人材の求める理想像を追求し,未熟な層のレベルに迎合しない厳しさが必要
  • やりたいことが明確だから,あれこれ設計するより,実際につくり始めたほうがいいのではないか
  • 起業家タイプは,人手が足りないので,周囲の危機感の低い学生たちを巻き込もうとするが,自分の考えている目標を仲間に説明するところで,なかなか上手くコミュニケーションがとれず,疲れきってしまう.指示してもやらない学生,口だけの学生,心変わりして脱退する学生がいると,プロジェクトのモチベーションが大きく減退してしまう.それをどう防ぐか
  • 起業家タイプが,周囲にやりたいことを説明するときの負荷を軽減できるシステムがあるとよい
3.参加者からのフィードバック

背景や,問題意識の練りこみがよくできている点,発表者の熱意と当事者意識が伝わるプレゼンである点が良かった.
一方で,定量的なデータが無い点や、使用する具体的な技術への言及がない点が課題であった.

まとめ

小野寺の仮説と議論結果を考慮し、ターゲット・ユーザを、暫定的に以下のように定めた。

【1人で,事業や企画を立ち上げ,実行しようとする学生】
【実務を遂行する人材が足りず,困っているリーダー】
(社会人を含めるかどうかは要検討)

今後は,実際にどのようなツールを提供すれば,ターゲットの抱える問題を解決できるかどうか考え,具体的なシステムの構想に入っていく。

次回予定

日時:2011/6/26(日) 
テーマ:「修論研究の紹介」 発表者:種市(金研M1)