「農業におけるITシステム導入事業の構想(2回目発表)」(発表者:室伏)
基本情報
- 日時:2011 年 7 月 10 日 10:00〜12:00
- 出席者:石川、倉田、種市、室伏(計 4 名)(敬称略)
- テーマ「農業におけるITシステム導入事業の構想(2回目発表)」 発表者:室伏
背景
前回までの発表で、日本の農業における問題点について考えてきた。
本発表において、それに対して打ち手を仮説として立案する必要がある。
そこで、挙げられた問題点をまとめ、どのような方向性で問題解決していくかについて考えた。
今回の発表における目的
体系化した日本の農業における問題点に対し、解決の方向性を明確化すること。
内容
1、日本の農業の課題(論点)
- TPPに加入する可能性がある
・日本の農産物の販売量が減少する
・価格が落ちる
- JAが統括している
・流通チャネルが固定的になってしまっている
・中間マージンとられてしまい、農家の収益低下
・農家の競争意識の低下→農産物の質・コスト管理意識の低下
- 農家が有益情報を入手できていない
・他の農家の生産状況、バリューチェーンに関わるプレイヤー間の情報伝達、
消費者からのフィードバック、品目ごとの需要情報&収益予測情報といった有益な情報を入手できていないため、無駄な労力やコストを使ってしまっている
- 従事者に高齢者が多い&多くが引退間近
・新規就農者の獲得が必要
・新規就農者へのナレッジ継承が必要
- その他
・農家への投資の活性が低い
→生産者に資金が入ってきておらず、挑戦的な経営ができない
・中山間地で農業が多く、農機の効率化に限界がある
2、ボトルネックの特定
【効果×実行性×先見性】という切り口より、ボトルネックを特定した。
これは、改善すると「あるべき形」に近づく上で効果が高く、主体者がコスト・リスク面からみて実行可能であり、まだ誰も手をつけていないと考えられる要因選択した、ということ。
その結果選んだ項目が以下。
・各プレイヤーから情報をもらう上で必要となる「信頼の獲得」
・膨大な情報を瞬時に処理する技術
・農業のランダム性の期待値による提示
・雇い先における契約条件の明確化
・雇い先と就農希望者のマッチング
・Webマーケティング&直販店の経営の成功
・農業に専門性を持つキャピタル会社がいない点
3、打ち手の方向性
以上の問題点に対し挙げた打ち手の方向性は以下の様。
- 農業においてIT技術をより用いていくべし
- 就農希望者が未来に対するビジョンを描けるようにすべし
- 流通業者を介さずに高利益率で販売していくべし
- 農家が挑戦的に経営していくための資金援助をすべし
4、議論
「挙げたボトルネックに対する解決策として、他の方向性はありうるか」
という議論テーマに対し、出たアイデアが以下。
・ITを使う人(生産者etc)が使いこなせるまで、きちんとサポートしていくべき
・ITを用いた結果の成功例をまず増やしていく
・地元の小売業者(スーパー、道の駅etc)との強固なタイアップしていく
まとめ
日本の農業があるべき形に近づく上で、事業として行うべき打ち手の方向性は見えてきた。
今後は、システムに落とし込んでいく際に、どの打ち手が効果的かを考えていき、具体的なシステムの構築に進んでいきたい。
文責(室伏)